ひな人形 三人の喜怒哀(楽)

カテゴリー │社務日誌

おはようございます。井伊谷宮です。
本日2月17日は祈年祭(きねんさい)の日です。祈年祭というのは今年の五穀豊穣を願うお祭です。日本は穀物もっと言えば「お米」を中心に社会が発展してきた国柄ですので、お米の豊作は国が栄えることをも意味しています。

祈年祭は全国の神社で行われる「大祭※たいさい」という大切な祭事です。井伊谷宮でも午後1時半より行う予定です。
収穫感謝の新嘗祭(にいなめさい)と対で語られることも多いですね。
大変な時ではございますが、今年はコロナに負けず立ち直っていける年になるといいですね。

日に日に梅の花も開いてきて、毎日観察するのが楽しみです。三月の初め頃には馬酔木(あしび)や寒緋桜(かんひざくら)も咲くので、その頃にはまたご紹介します。特に馬酔木は小さな花がかわいらしく、雨が降った後などは水滴がついて写真を撮ると面白いです。
ひな人形 三人の喜怒哀(楽)


さて、ひな人形は上から男雛と女雛、三人官女、五人囃子、随身、仕丁と並んでいます。
こうした段飾りが一般的に知られますが、ひな人形が飾られるようになった当初は内裏雛(だいりひな)と言って男雛と女雛の一対のみ飾っていました。
それが時代が進むにつれて豪華になり、現在の段飾りへと変化していきました。
ひな人形 三人の喜怒哀(楽)


前回もお伝えしましたが、この段飾りは結婚式の様子を表しているそうです。
そのため五人囃子(ごにんばやし)が曲を奏でて盛り上げているのですね。三人官女(さんにんかんじょ)は高貴なお姫様のお世話をする女性の事です。
随身(ずいしん)はボディーガードのようなもので、向かって右の左大臣が偉くてお年寄りの場合もあります。
ひな人形 三人の喜怒哀(楽)


面白いのは雑務に従事する仕丁(しちょう)という方々で、3人いてそれぞれ「怒り」「嘆き」「笑い」の表情をしています。
この仕丁というお役目は庶民に課されていた「役務」のようなもので、それぞれに家庭の事情を抱えながらも雑務に従事した一般庶民の感情を表しているとも言われます。
ひな人形 三人の喜怒哀(楽)


ここからは想像ですが、「この忙しいのに」と怒る人もいれば、「家は大丈夫かな」と嘆く人もいれば、「家から離れられたぞ」と喜ぶ人もいたのだと思うと親近感がわく気がします。

ご自宅でお飾りを出すというのは今の時代には様々な事情で難しい事と思います。
神社で飾っており記念にお写真も撮っていただけますので、御参拝の折にはどうぞご覧になってください。


同じカテゴリー(社務日誌)の記事
地の神様
地の神様(2023-12-10 12:48)

12月の御朱印
12月の御朱印(2023-12-05 15:44)

まゆ玉と菊飾り
まゆ玉と菊飾り(2023-11-11 16:11)

11月の御朱印
11月の御朱印(2023-10-31 13:58)


 

削除
ひな人形 三人の喜怒哀(楽)