死生観②

カテゴリー │社務日誌

こんにちは。井伊谷宮です。
桜が一気に咲き始めましたので、お写真とともにお送りします。
満開は今週末か来週頭位でしょうか。
死生観②


今回は死生観の二回目をお送りいたします。前回もお伝えしておりますが、様々な考え方がある分野と思いますのであくまで個人的なものとしてお考えいただければと思います。

この世に生を受けてからこれまで、常に「死」を意識しながら生きてきた人はほとんどいないと思います。
元々キリスト教の言葉と思いますが、「メメントモリ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
死生観②


私の世代ですとミスターチルドレンの曲名にこの言葉があって、昔調べてみた記憶があります。
簡単に言うと「死を忘れるな」という意味です。

非常に重たい言葉のように感じますよね。
そんな小難しく考えて生きていきたくない、と思う方もおられるかもしれません。
死生観②


それほど死というものは普段の生活の中で、無意識のうちに自分とは関係のない事と認識してしまっているように思います。
ですが死は誰にでも必ず訪れます。そしてそれは決して避けることはできないものです。

親や近しい方の葬儀、またご自身が病気になったり、それなりの年齢になってくるとそうした現実に向き合うこととなり、こうした死生観について興味がわく方もいらっしゃるのではないかと自分なりの考えをまとめることにしました。

神職は葬儀などで死に携わることも多くございます。私自身、そうした折によく生きる意味について自問自答しています。
死を意識して生きるのとそうでないのとでは、日々の過ごし方が変わってくるのではないでしょうか。

様々な考え方がある死生観ですが、共通して言えるのはお御霊(みたま)・霊魂(れいこん)の存在です。
自然界のあらゆるものに神・霊魂が宿り、日本には八百万の神が存在するなどと言われます。

人はその中から出でて、死後霊魂はまたその中に帰っていき子孫を見守るという考え方です。
そのため見守られている子孫は日々のお守りに感謝して、先祖を敬いおまつりをします。
死生観②


ここで大事なのは感謝の気持ちを忘れないことと思います。この世に生を受け、ここまで生きてこられたことは当たり前の様で実は当たり前ではありません。若くして亡くなってしまう方もいる中で、「生かされている」ことへの感謝が自然と祖先や神様に対する思いにつながっていくように思います。

また日本の神様は恵みを与える存在でもあり、時に災いももたらします。
植物にとって恵みの雨も、ひどくなれば洪水にもなり得ます。そうした自然の営みを見れば、すっと納得いくのではないでしょうか。

そのため決しておごることなく、特別な力を恐れて大切に扱うことで神様として守護してもらうという信仰が続けられてきました。
先日お伝えしたお彼岸であったり、お盆であったり、命日などは特にしっかりと祖先をおまつりをする時期とされてきたわけですね。

前回がちょうどお彼岸の時期だったので祖先のお祀りについて先にお送りして順番が前後してしまいましたが、今回は死生観に関する導入と霊魂の存在についてお話ししました。

次回は古事記に描かれる死後の世界と死の穢れについてお話をしようかと思います。


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