神話のお話 熱田神宮創始 

カテゴリー │社務日誌神話のお話

こんにちは。井伊谷宮です。
12月も折り返しを過ぎましたね。昨日は神職で本殿と井伊社の清掃をしました。
いよいよ正月という雰囲気を感じていますが、皆さんはいかがでしょうか。
神話のお話 熱田神宮創始 


今日は神話のお話です。今回で神話のお話シリーズもひとまず終了となります。
前回は焼津の話までしましたね。

ヤマトタケルノミコト一行がさらに進軍して走水(はしりみず)の海を渡ろうとした際、海峡の神が波を起こして進めなくなってしまいます。
そこでヤマトタケルノミコトの后であるオトタチバナヒメノミコトが、自身が海に入ることで波を鎮めて一行は先に進むことができるようになります。
神話のお話 熱田神宮創始 


ヤマトタケルノミコトは東北の蝦夷たちまで平定した後、大和まで帰る道すがらふと亡くなったオトタチバナヒメノミコトを思い出し「あづまはや」と叫びます。
これは「我が妻よ」という意味なのですが、これが語源となり東国や関東一帯の事を「あづま」と呼ぶそうです。

その後に無事に帰れたら結婚するとの約束通り、尾張のミヤズヒメとも結婚します。
ですが「次の伊吹山の荒ぶる神は素手で倒そう」とクサナギノツルギをミヤズヒメの下に置いたまま出発してしまいます。
不吉な予感がしますが案の定大雨や冷たいアラレにやられて、ヤマトタケルノミコトは正気を失ってしまいます。

ここでいろいろな地名の由来が語られますが、一つだけご紹介します。
さまよい歩いてとある村に着いた時に「足がたいそう疲れて三重に曲がってしまった」と言われ、そこが三重と呼ばれるようになったそうです。

ヤマトタケルノミコトは遂には弱りきり亡くなってしまいます。亡くなった後は白鳥になって飛んで行ったというのは有名な話ですね。
クサナギノツルギを持っていけば、あるいは違う未来が待っていたのかもしれません。
神話のお話 熱田神宮創始 


残されたクサナギノツルギはその後もミヤズヒメの下で祀られることとなります。
これが熱田神宮の創始であり、そのため熱田神宮のご神体はクサナギノツルギをお祀りしています。

補足をしておくと三種の神器(鏡、剣、勾玉)はアマテラスオオミカミからニニギノミコトに渡されて後、代々皇居に祀られていました。
それが崇神天皇の御代に鏡と剣が別々に祀られることとなり、トヨスキイリビメが持ち出して、ヤマトヒメノミコトが伊勢神宮でお祀りをすることとなります。

その後ヤマトヒメノミコトから剣がヤマトタケルノミコトに渡され、ヤマトタケルノミコトからミヤズヒメへと渡り熱田神宮の創始へとつながります。
現在皇居に祀られる鏡と剣は、トヨスキイリビメが持ち出す際に作られた「御写※おんうつし」という複製です。
神話のお話 熱田神宮創始 


2月末から始めてここまでざっとですが神話のお話をしてきました。長かったような短かったような複雑な気持ちですが、カテゴリーで「神話のお話」としてまとめましたので、また気になった際にはご覧になってみてください。

来年になり、落ち着きましたらまた違う形でシリーズ物ができればなと思っています。
今回までお付き合いいただいてありがとうございました。
今日は大変寒い上にこの寒さがしばらく続きそうですが、年末を前に風邪をひかないようお気を付けください。


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