神話 スサノオの試練

カテゴリー │社務日誌神話のお話

おはようございます。井伊谷宮です。
6月も下旬。終わりが近づいてきました。6月の晦日(みそか※最終日)は夏越の大祓の神事がございます。
今日の神話でも登場するスサノオが疫病を祓うのに茅の輪を身に着けるとよいと告げたことが、現在の茅の輪くぐりの起源とされます。
設置は27日を予定していますので、設置しましたらどうぞ疫病除けのお祓いに茅の輪をくぐりにお参りください。なお夏越の大祓の神事はどなた様でも参列でき、6月30日午後3時から行います。今月の特別御朱印も夏越の大祓が題材となっており茅の輪が描かれています。茅の輪の写真は去年のものです。
神話 スサノオの試練


神話 スサノオの試練


さて本日は神話の回となります。根の堅洲の国に行ったオオクニヌシはスサノオの娘スセリビメと出会い互いに惹かれ合って結婚することとなります。スセリビメは父であるスサノオにオオクニヌシを紹介するのですが、スサノオはオオクニヌシに試練を与えます。
まずオオクニヌシが通されたのは蛇の部屋でした。蛇が出てくる危険な部屋なのですが、スセリビメから持たされた蛇を祓う道具によって追い払うことに成功します。

蛇の試練を乗り越えたオオクニヌシが次に通されたのがムカデとハチの部屋でした。これもスセリビメから道具をもらって追い払うことができました。
本当にできる奥さんですね。内助の功というものでしょうか。余談ですが、先日家族がムカデにかまれ大変な思いをしましたが、それほどまでに危険な試練を与えるスサノオもなかなか容赦がないですね(笑)
神話 スサノオの試練


次の試練は鏑矢という射ると音の鳴る矢を野原に放ち、それを取ってこいというものです。オオクニヌシが野原に入ると、スサノオはたちまち周りに火を放ち出口を塞ぎます。「ひどい。」「なんでそんなことするの。」「これではお兄さんたちヤソガミと同じじゃないか」という声も聞こえてきそうですが、ここではネズミが助けてくれます。大きな穴がある所を教えてくれ、そこに隠れて火が通り過ぎた後に矢を加えて持ってきてくれました。
ネズミがオオクニヌシの神使と言われる所以ですね。

さすがに今回は死んでしまったと悲しむスセリビメが葬式の準備をしていると、矢を持ったオオクニヌシが現れます。ここは映画で言うとアルマゲドンの様なシーンでしょうか。火の煙の中から登場し、「i don't want to miss a thing」が流れてきそうな場面ですね(笑)
神話 スサノオの試練


ここでもなんとか試練を乗り越えたオオクニヌシは、ついに御殿に招き入れられます。しかしここからも試練が待っています。スサノオは自身の頭のシラミをとるように告げるのですが、頭にはシラミではなくムカデがうじゃうじゃ。ここですかさずスセリビメが木の実と赤土を差し出します。オオクニヌシは木の実と赤土を口でむしゃむしゃかんでから吐き出し、スサノオはこれを見て自身のムカデを食い殺したのだと勘違いをしたためこの試練も何とか乗り越えることができました。

さて今回の試練のお話はいかがでしたでしょうか。なかなかにひどい仕打ちの連続でしたが、ヤソガミの時と違ったのはそばに助けてくれる誰かが側にいてくれたことではないでしょうか。
一生懸命頑張っている方には必ず助けてくれる人が出てくる。これは私の少ない人生経験の中でも確かに実感してきたことです。
奥さん然り、旦那さん然り、家族然り、友人然り、またそれ以外にも見ず知らずの方が助けてくれることもあるかもしれません。
私はこのお話の場面では、オオクニヌシの様な優しく実直な人柄が大事なのだと教えられている気がします。

次回の神話のお話では、オオクニヌシがたくましくなりスサノオに仕返しをします。「やられたら・・」という一世を風靡した言葉がありますが、オオクニヌシもやられるばかりではありません。便宜上今までオオクニヌシと呼んできましたが実際の書物ではここまでの段では色々な名前で呼ばれてきていました。ここでようやく書物上でも国土開拓の神様「オオクニヌシ」という名前が登場します。ヤソガミにいじめられていた頃から成長して、その様な名前になったということですね。そのお話はまた次回で。


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